車を所有するためには、ガソリン代や税金、保険代などさまざまな費用がかかります。
車種や使い方によっては年間数十万円を超える費用がかかるケースも少なくないため「どれくらいお金がかかるのか」「維持していけるのか」など、維持費に関する不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
本記事では、車を購入する際に生じる不安を解消し、無理のない支払いプランを立ててもらうためにハリアーの維持費を詳しくご紹介します。
ハリアーの維持費
一般的に車の維持に必要とされている費用は以下の通りです。
- ガソリン代
- 税金
- 車検代
- メンテナンス代
- 駐車場代
- 保険代
- ローン金利
ガソリン代
ガソリン車モデルとハイブリッド車モデルの2つのパワートレインを用意したハリアーでは、選択するグレードにより燃費が異なるため、ガソリン代にも違いが生じます。
ハリアーのグレード別燃費は以下の通りです。
【ハリアーグレード別燃費】
モデル | 駆動方式 | WLTCモード | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
ハイブリッドモデル | 2WD | 22.3km/L | 19.5km/L | 25.1km/L | 22.1km/L |
E-Four | 21.6km/L | 18.9km/L | 24.2km/L | 21.4km/L | |
ガソリンモデル | 2WD | 15.4km/L | 11.3km/L | 15.7km/L | 18.0km/L |
4WD | 14.7km/L | 11.0km/L | 14.9km/L | 17.1km/L |
ハリアーでは、ハイブリッドモデルとガソリンモデルとの間に7km/L程度の燃費差が生じています。
年間の走行距離が多くなるほど燃費の違いによるガソリン代の差は大きくなりやすいので、特に車の使用頻度が多い方は、燃費にも注目してグレード選びをすることをおすすめします。
とはいえ、カタログ燃費だけでは実際にかかるガソリン代のイメージがつかないという方も多いでしょう。
本記事では、走行距離とモデル別に想定されるガソリン代を算出します。ご自身の使用スタイルに近いものを選ぶことで維持費計算の参考にしてください。
年間走行距離が5,000km程度の場合
近所へのお出かけやお買い物でしか車を使用しないという場合、年間の想定走行距離は3,000km~5,000km程度です。
信号待ちや渋滞が発生しやすい街乗りでは、高速道路などを使用した長距離走行と比較し、燃費は悪くなる傾向があります。
少しでも実際の数値に近い燃費を算出するために、今回は市街地モードの燃費を参考にガソリン代を算出します。
年間5,000km程度しか走らない場合のガソリン代目安は以下の通りです。
モデル | 燃費(市街地モード) | ガソリン代(年間) | ガソリン代(月々) |
ハイブリッド | 19.5km/L | 41,000円 | 3,500円 |
ガソリン | 11.3km/L | 71,000円 | 6,000円 |
※ガソリン代は160円/Lで計算
走行距離の短いお出かけがメインであれば、パワートレインの違いによるガソリン代の差はそこまで大きくありません。
ハリアーはガソリンモデルよりもハイブリッドモデルの方が60万円程度高い価格設定となりますので、燃費の良さだけで価格差を埋めようと考えると20年程度かかる計算となります。
現在販売されている車の多くは、WLTCモードと呼ばれる国際的な試験方法で測定した燃費を表示しています。
WLTCモードには、平均的な燃費消費率だけでなく「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」と、使い方に合わせた燃費も表示されており、より実際に近い数値を確認することが可能です。
それぞれのモードの内容は以下の通りです。
- WLTCモード:各走行モードの平均的な数値
- 市街地モード:信号待ちや渋滞の影響があり、比較的低速な走行を想定した数値
- 郊外モード:信号待ちや渋滞の影響をあまり受けない走行を想定した数値
- 高速道路モード:高速道路等での走行を想定した数値
年間走行距離が10,000km程度の場合
週末に遠出やドライブで車を使用する機会が多い場合、年間の走行距離は8,000~10,000km程度が想定されます。
この場合のガソリン代はいくら程度かかるのでしょうか。ここでは平均的な燃費消費率を示すWLTCモードを使用してガソリン代の計算を行います。
年間10,000km程度走行した場合のグレード別ガソリン代は以下の通りです。
モデル | 燃費(WLTCモード) | ガソリン代(年間) | ガソリン代(月々) |
ハイブリッド | 22.3km/L | 72,000円 | 6,000円 |
ガソリン | 15.4km/L | 104,000円 | 9,000円 |
ハイブリッドモデルとガソリンモデルの差は街乗りで使用する場合とそこまで大きく変わりませんが、走行距離が長くなる分、年間の負担金額は大きくなります。
年間10,000kmは平均的な走行距離と言われていますので、「どれくらい使うか分からない」という方もここでご紹介した金額を参考に維持費を計算することをおすすめします。
年間走行距離が15,000km程度の場合
通勤や通学で毎日車を使用し、お休みの日には遠出も楽しむという方は、年間の走行距離が15,000kmとなります。
このようなケースでは燃費の悪くなりやすい街乗り、高速を使用したドライブの両方が想定されますので、年間走行距離が10,000km程度の場合と同じくWLTCモードの燃費でガソリン代を計算してみましょう。
年間15,000kmを走行した場合のガソリン代は以下の通りです。
モデル | 燃費(WLTCモード) | ガソリン代(年間) | ガソリン代(月々) |
ハイブリッド | 22.3km/L | 107,000円 | 9,000円 |
ガソリン | 15.4km/L | 156,000円 | 13,000円 |
走行距離が多くなるほど、モデルによるガソリン代の差は大きくなり、15,000km程度の走行距離では年間のガソリン代に5万円程度の差が生じます。
また、月々の負担額も大きくなりますので、走行距離が多い方はガソリン代で年間10万円~20万円程度を想定しておくと安心でしょう。
税金
車を購入する際には、消費税や環境性能割といった税金を納める必要がありますが、購入後も車の所有者には税金の支払い義務が生じます。
車の維持に必要な税金は次の2つです。
- 自動車税
- 重量税
ハリアーの場合、いくらの支払いが必要なのでしょうか。支払いタイミングや税額をご紹介します。
自動車税
自動車税は、4月1日時点の車の所有者に対し、支払い義務が生じる税金です。
税額は用途と排気量によって異なり、2019年10月以降に登録した車の自動車税額は以下の通りとなります。
排気量 | 自動車税額 |
軽自動車 | 10,800円 |
660cc~1,000cc以下 | 29,500円 |
1,000cc超~1,500cc以下 | 34,500円 |
1,500cc超~2,000cc以下 | 39,500円 |
2,000cc超~2,500cc以下 | 45,000円 |
2,500cc超~3,000cc以下 | 51,000円 |
3,000cc超~3,500cc以下 | 58,000円 |
3,500cc超~4,000cc以下 | 66,500円 |
4,000cc超~4,500cc以下 | 76,500円 |
4,500cc超~6,000cc以下 | 88,000円 |
6,000cc超 | 111,000円 |
ハリアーの場合は、2.0Lエンジンを搭載したガソリンモデルの自動車税額は39,500円、2.5Lエンジン搭載のハイブリッドモデルは45,000円と、選択するグレードにより金額が異なります。
なおハリアーの場合は、ハイブリッド・ガソリンモデルともに、環境性能の良い車の普及を目的として導入されたグリーン化特例の対象外となります。ご注意ください。
重量税
自動車重量税は、その名の通り車の重量に応じて課せられる税金です。
新規登録時と車検時に次回車検までの期間分をまとめて支払う必要があります。
また、重量税は新規登録から13年、18年経過のタイミングで増税になりますので、古い車に乗っている方や、10年以上経過した車両を購入する場合には注意が必要です。
重量税は、0.5tごとに年間4,100円を支払う必要があり、車検時には2年分をまとめて支払います。ハリアーは、車両重量が1,530~1,750kgとなりますので、車検時に支払う税額は32,800円、1年あたりで計算した場合は16,400円となります。
車検代
画像引用元:トヨタ公式ホームページ
新規登録から3年、それ以降は2年に1回受けなければいけない車検。
ハリアーサイズの車の場合、車検費用は、70,000~100,000円程度が相場とされており、基本的な点検・整備以外に消耗部品の交換や修理が必要な場合には、さらに金額が上がります。
車検費用は、車の維持費の中でも高額ですので、あらかじめ車検費用の相場を確認し、準備しておくと安心でしょう。
では、車検費用には何が含まれているのでしょうか。一般的な車検費用の内訳とハリアーの場合の価格目安は以下の通りです。
項目 | 費用目安 | |
車検基本料 | 10,000~50,000円程度 | |
法定費用 | 自賠責保険 | 20,010円※ |
重量税 | 32,800円※ | |
印紙代 | 1,600円 |
※自賠責保険と重量税の詳しい内容を知りたい方は、「税金」「保険」の見出しをご覧ください。
法定費用は、車の重量や加入期間によって金額が定められているため、どこで車検を受けても値段は同じです。一方、車検基本料には、業者が車検を代行することに対して発生する代行手数料や、車検に通すための検査をする費用が含まれており、設定金額は業者によってさまざまです。
専門性の高いディーラーで車検を受ける場合には、ガソリンスタンドや車検専門店と比べ車検基本料が高額に設定されている傾向がありますので、少しでも維持費を抑えたい方は、複数の車検見積もりを取り、価格を比較することをおすすめします。
メンテナンス代
安心・安全なドライブを楽しむためには、日頃からこまめに点検を行い、適切な時期に消耗部品を交換するなどのメンテナンスを行うことが大切です。
定期的に交換が必要な消耗部品と費用目安は以下の通りとなります。
消耗部品名 | 交換目安 | 費用目安 |
エンジンオイル | 5,000kmもしくは半年ごと | 5,000~8,000円程度 |
エンジンオイルフィルター | エンジンオイル2回交換ごとに1回 | 1,000円~3,000円程度 |
バッテリー | 2~3年に一回電圧が低下している場合は早めに交換 | 10,000円~40,000円程度 |
スパークプラグ | 2~3万kmごとに1回程度 | 6,000円~10,000円程度 |
タイヤ | 3万kmごと溝が1.6mm以下の場合やひび割れ等劣化が激しい場合は即交換 | 20,000円~ |
ワイパーゴム | 1~2年程度 | 3,000円程度 |
ワイパーやオイルフィルターなど、消耗部品には数千円程度で交換ができるものもありますが、タイヤやバッテリーの交換には数万円から数十万円がかかるケースも。
車に乗り続けるためには、これらの部品の交換が欠かせませんので、あらかじめ車の維持費にメンテナンス費用を組み込んで計算しておくと安心でしょう。
駐車場代
一部地域を除き、車を購入するためには駐車場の用意が必要です。
自宅に車を駐車するスペースがあれば問題ありませんが、自宅に駐車場がない場合や、賃貸物件に住んでいる場合には駐車場を借りなければなりません。
駐車場代は地域によって価格に大幅な差があり、東京・大阪などの都心では月々30,000円以上がかかることも。年間30万円以上と高額な出費となる可能性がありますので、車の購入前に周辺の駐車場代の相場を確認しておくと安心でしょう。
保険代
安心なドライブに欠かせない保険。
車の保険には、法律により加入が義務付けられている「自賠責保険」と、手厚い補償を受けられる「任意保険」があります。
ここからは、それぞれの保険の補償内容や範囲、価格をご紹介します。
自賠責保険
自賠責保険とは、すべての自動車に加入が義務付けられている強制保険です。
車の購入時と車検時に次回車検までの期間分を支払う必要があり、車検時に支払う金額は2年分(24ヵ月)で一律20,010円となります。
自賠責保険は、自動車事故被害者の救済を目的としており、補償対象は相手への人身損害賠償のみとなります。
つまり、ドライバー自身のケガや車への損害は補償されません。
また、傷害による損害の場合は120万円、後遺障害による支払いは4,000万円、死亡による損害は3,000万円までと支払限度額が設けられており、自賠責保険だけでは補えないケースも。
安心してドライブを楽しむためには、強制保険である自賠責保険だけでなく、任意保険にも加入する必要があります。
任意保険
任意保険は、強制保険の自賠責保険で補いきれない損害を補償する保険です。
人身傷害しか補償されない自賠責保険とは異なり、任意保険の場合はさまざまなプランが用意されており、一部項目は使い方や好みに合わせて自由に選択することができます。
一般的な自動車任意保険に用意されている項目は以下の通りです。
【任意保険の項目】
項目 | 補償内容 | 選択 |
対人賠償 | 被害者のケガを補償 | 基本的に必ず加入 |
対物賠償 | 車や物など、被害者の財産を補償 | |
車両保険 | 自分の車の損傷を補償 | 任意で加入が可能 |
搭乗者傷害 | 同乗者など車に乗っている人の損害を補償 | |
自損事故 | 単独事故でのドライバーのケガを補償 |
任意保険には基本的に対人・対物補償が無制限でついており、支払い上限がある自賠責保険で補いきれない分や、車や物への損害に対する補償も対象となります。
また、任意で自分の車や同乗者への補償を付帯することができますので、車の使い方に合わせた最適な保険内容を選ぶようにしましょう。
任意保険の保険料は、事故歴や等級、年齢、免許証の色などで細かく設定されており、年齢が若い方が加入する場合は、年間10万円以上となることも。
加入内容や年齢によっては車の維持費の中でも大きな割合を占めますが、万が一の事故に備えて加入しておくことをおすすめします。
ローン金利
車をローンで購入した場合には、購入金額に対して数パーセントの金利が発生します。
ローンの金額や支払い期間によって支払う金利には差が生じますが、場合によっては車両の購入金額以外に数十万円の支払いが発生する場合も。
分割で車を購入する際には、金利の額も維持費に組み込んでおきましょう。
まとめ
画像引用元:トヨタ公式ホームページ
車を購入する際には「月々いくら程度の支払いが必要なのか」「車を維持していけるのか」など維持費に関する不安を抱える方も多いと思います。
車の維持費は使い方や車種によって差が生じますが、ハリアーの場合、年間数十万円程度がかかると考えておいた方がいいでしょう。
事前に維持にかかる費用を想定しておけば、購入後支払いに困る心配もありませんので、ハリアーの購入を検討している方は、今回ご紹介した内容を参考に維持費を計算してみてください。
【ディスクリプション】
ガソリン代、税金、保険・・・車を維持していくためにはさまざまな費用がかかります。本記事では人気SUVであるトヨタ・ハリアーをピックアップし、維持にかかる費用項目や金額目安をご紹介します。事前にかかる費用を把握しておくことで、無理のない支払い計画を立てましょう。
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